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ライブ・レポート

春・桜・風・恋・夢 …ひらひらら…

    日時 : 2004年04月18日(月)
    場所 : YEBISU∞switch
          
    出演 : 美菜呼 / 宮崎陽子 / 葛岡みち
          



 01.逢いたいよ
 02.恋ト呼ブモノ
 03.ひらひらら
 04.平凡
 05.春風
 06.君だけはわかっていてくれるから


2005/04/14


4月15日にオープンした新しいライヴハウス、YEBISU ∞ switch 。客席のところどころに置かれたテーブルにはミニキャンドルが灯っている。壁際にはランプを模した電灯。温かくやわらかな光が照らし出す壁の白さが初々しい。
今日はオープン四日目、PIANOカプセル→les.1 と題したピアノ弾き語りの夜。ステージの真ん中に据えられたピアノも、両脇に重ねられた大きなスピーカーも、ちょっとかしこまって緊張しているような佇まいだ。

「どうも美菜呼でーす! 今日はリハなしの『ぶっつけ』で、このピアノ触るの今が初めてなんですよー」
美菜呼は緊張はしていないがリハもしていない。何があったのかは知る由もないが、よほど急いでいたのだろう。なにしろ靴下を履く暇さえなかったのである(違うか)。

「私のデビュー曲?(と少し語尾を上げる)って言うんでしょうか、今はちょっと書けない詞ですけどねー、ワカゲノイタリというか……」
“逢いたいよ”。
自分の声の響きと、新しいピアノの感触を確かめるように。そして、一つ一つの言葉をかみしめるように。

あんたの心の中に 少しでもあたしがいればいいのに……

そうか、この詞は今はちょっと書けないか。ワキゲヌイタリだもんなあ(違うね)。
……いつだって、今しかできないことがあるってことかな。

“恋ト呼ブモノ”は恋に落ちちゃう直前のところを歌ったのだと美菜呼はあくまで主張する。でもリスナーからは「この曲は、もう恋に落ちちゃってるんじゃない?」っていう感想が多いらしい。曲が終わって美菜呼の第一声、
「どっちでしたか?!」
頷く観客。「落ちてた、落ちてた」
それはあなたが今恋してるからでしょう?! ヘンッ!!
……なんなんだよ。

“ひらひらら”。
桜のイメージも十人十色。心にもっとも鮮やかに焼きついた桜が胸に蘇ってくる。公園や並木で一斉に咲いている桜。ぽつんと一本だけの桜。夜桜。八重桜。花吹雪。宴会。酒……芋焼酎(すべての道は芋焼酎に通ず)。
舞い落ちる花びらは、無数の思い出のよう。美菜呼は、「思い出の川で平泳ぎができそう」だって。


2005/04/18 Minako 2005/04/18 Minako


今日のステージは、ブッキング担当の方がかつて赤坂Electric Church Love(2002年3月、Loveでのライヴの模様はlinkこちら )にいたというご縁で実現したものらしい。“蛍”を歌うときに、美菜呼は珍しく店の方にリクエストをした。
「ここで照明青に変わったりしませんかねー」
でも照明は変わらない。間に合わないと諦めたのか美菜呼はピアノに向かう。
歌い始めた刹那、ステージが青色に染まった。
……いいよね、こういうの。


2005/03/19 Minako



好きと口に出して言う事は、恥ずかしい。それは誰だって恥ずかしい。けれども、その恥ずかしさに眼をつぶって、怒濤(どとう)に飛び込む思いで愛の言葉を叫ぶところに、愛情の実体があるのだ。
(太宰治 『新ハムレット』)
“君だけはわかっていてくれるから”。
自分の歌を聴いてくれるすべての人に「君だけはわかっていてくれるから」と叫ぶ気持ち。
美菜呼の歌声が、switchの空間いっぱいに響き渡った。

この先、何十、何百ものミュージシャンが、何百、何千もの歌をswitchで歌い、それを数えきれないくらい多くの人が聴くだろう。
今度来たときには、switchの壁はきっといい色に染まっているに違いない。

<へのもちん>


 

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